こんにちは、エパタです。
私が初めてブラジルの土地を踏んだのは、1996年5月23日でした。ブラジルに暮らしてもう17年になろうとしています。
住めば住むほど、日本とブラジルは習慣や価値観に、ある場合は「正反対(ブラジル人によると)」と言われるほどの違いがあることを感じます。それがどこから来ているかと考える時に、やはり法律が違うので、おのずと価値観も違ってくるのだなと思われることがよくあります。そのブラジル人の価値観をつくり出しているのではないかと思う法律の一つに、
ウズカピアォンという法律があります。日本語訳もあるようですが、いまここで書こうとしているのはブラジルの法律なので、混乱を避けるため、あえてリンクはしないことにします。基本的な考え方を知る上では、参考になると思います。

この法律は、どういう法律かと言いますと.....。たとえば、ある土地があり、空き家があるようです。もちろん他人の土地です。そこにある人が勝手に住み込み、1年たち、2年たちしますが、誰も何も文句を言ってきません。そこでその住み込んだ人が裁判所に、「これは私の土地です。X年O月から住んでいます。私の物であるとの宣言をお願いします」と文書を提出します。裁判所がそれを受け取り、その土地の所有者として登記所に登録されている名義人に対して、呼び出しをかけます。「これこれの者があなたの所有地について、自分の物であると申し立てているから、弁護しなさい」どの文書でもそうですが、裁判所の文書には期限があります。その期間内に弁護しない場合、その土地は、勝手に住み込んだ人の所有地となってしまうのです。
これは犯罪でも何でもなく、厳然と法律で保障されている権利なのです。この法律の考え方がどこから来ているかというと、基本的人権で保障されている居住権の保護の考え方から来ています。すべての人は、最低限の必要として、食べる物や着る物が必要であると共に、住む場所が必要であり、その権利は保護されるべきだとするのです。
このウズカピアォンという法律は、英語のuseからも察することができるように、ポルトガル語でも「使う」に関する言葉です。土地や建物は「使っている人の物」なのです。
日本人にとっては、信じられない法律です。しかし、ブラジルでは日常茶飯事として現行している法律です。いわば、常識なのです。ですから、空き地、メンテナンスができていない家というのは、誰もが目をつけます。勝手に住み込んで自分の物にしようともくろむことがないまでも、「これはいったい誰の.....? 取られても知らないよ」と自然に思うのです。
日系人の方々と話をして、これで土地や建物を失ってしまった人の話を何度も聞きました。また、新聞にはよくニュースで「侵入者が立てこもり、所有者との戦いになっている」などの記事を目にします。聞くところによると、政治的にそれらの動きを利用する団体まであるそうです。
いまだにびっくりですが、それが現実です。また、それを踏まえて対応していく必要があります。